2022/03/16 01:09

にとべトーベ


本日は、5千円札の肖像画として、
見たことのある方のお話から入ります。

新渡戸(にとべ)稲造さんという方です。

いまから、ほぼ100年前(1921年)、
出来立てほやほやの、国際連盟(国連)の
事務次長として活躍。

当時、国連には、
大きな問題がもたらされていました。

それは、フィンランドと、スウェーデンの国境にある、
オーランド諸島を、
「どちらの国のものにするか」という問題でした。
大雑把な地図(-_-;)

地名
スウェーデン語:Landskapet Åland
フィンランド語:Ahvenanmaan maakunta
国連表記:Åland Islands   wikipediaより


これを暴力によってではなく、話し合いによって解決に導いた
のが、新渡戸さん。

フィンランドの自治領であるオーランド諸島は、

西の強国、スウェーデンに占領されたり、
東の大国、ロシアに奪われたりした、悲しい歴史を持っています。

当時(第一次大戦の末期)のオーランド諸島の住民は、
スウェーデン語を話し、スウェーデン文化のなかで生活していましたが、
フィンランド・スウェーデンのどちらの国に属するのかをめぐり、
暴力や戦争に発展しかねなかったのです。

両国は国際連盟にその裁定を託した結果、関係国、当事者がいずれも
オーランド諸島の住民の自治を守るという取り決めが確定しました。
これにより、住民の平和な生活を守ることができたのです。

↓オーランド風土については、このサイトが詳しいです。
https://www.visitfinland.com/ja/kiji/oland-finlandno-tokubetsuna-basho/


スナフキンのモデルと言われている、
アトスさんは、その諸島の出身で、当時、15才。

まだ彼に会っていないトーベさんは、7才。
多感なお年ごろですね。

その時に、領土の争奪戦争に巻き込まれていたら、
二人は出会っていなかったかもしれないし、
おそらくムーミンも世に出ていなかったことでしょう。

まして遠く離れた日本の私たちの生活では、
けっしてムーミンに出会うことはなかったでしょう。


いまも大国が、暴力で、隣国を支配しようとしています。

その陰で、両国の尊い命が失われ、
本当なら100年後にもあるべき、
たくさんのしあわせな物語が生まれない、届かない、、、

少しでも多くの新たなトーベさん、にとべさんが
活躍できる世界でありますように。