2022/03/11 21:15
ムーミンの登場人物、
Filifjonka フィリフヨンカ は、個人名ではなく、
フィリフヨンカ族の女性たちの総称です。
太っている人は見たことがないのと、
いつも何かしら動いている印象。
![](https://baseec-img-mng.akamaized.net/images/user/blog/1241604/blog/50b3e7e672c6cb1b6b89e785480a25a2.png?imformat=generic&q=90&im=Resize,width=2048,type=downsize)
一様に伝統や、
自分独自のしきたりを大切にしているのは良いのですが、
それにしばられるあまり、
身動きが取れなくなっている彼女たち。
・・・あれれ?これって私のこと?
自分には、重んじるべき伝統は、まったくありませんが、
こうしなければならない、こうあるべきというような、
不思議なしきたり(習慣)を勝手に作り上げ、
自らの自由をなくしている・・・というか、
身動きを取れなくしていることが、日常では、おおいにあります。
禅に、莫妄想という言葉がありますが、これは
「考えや想いに囚われている状態のこと」だそうです。
言い換えると執着心。
モノに、心に、となりの芝生に・・・しゅうちゃく。
いつも心と身体を固くして、
なにかにしばられ、
なにかに怯えているフヨンカさんたち。
物語の中で、何人もの彼女たちを見て、
アハハ!と笑いながらも、
自分と重ね合わせて読むことの多いキャラクターです。
![](https://baseec-img-mng.akamaized.net/images/user/blog/1241604/blog/c6491c4ee15c4005ca8665f49dddcbae.png?imformat=generic&q=90&im=Resize,width=2048,type=downsize)
「ムーミン谷の仲間たち」での彼女は、
一族の伝統を守って暮らしていますが、
この世の終わりが来て、
全てを失ってしまうのではないかと、
いつもびくびくとして落ち着きません。
そんなある日、案の定大嵐に会い、たつまきが起り、
伝統あるクリーム入れや、家具や、自分の守っていたものたち、
何もかもを奪っていきます。
全てを失ったフヨンカさんは泣きました。
しかしこの涙は、二度とびくびくすることのない、
本当の自由を手に入れたとはじめて心から思えて、
笑いといっしょに流した涙でした。
ムーミン谷は、平和です。
平和の中にも、
この世の終わりに怯えるフヨンカさんたちがいます。
一方、連日のニュースでは、
現実に、着の身着のまま、避難を続けている
ヨーロッパの過酷さが伝えられています。
また、大震災から11年目の現在でも、
ふるさとから遠い場所で、避難生活を続けている方々がいます。
私たちは、災害、パンデミック、戦争を
乗り越えていかなければなりません。
全ての暴力が、一日も早く終わりますように、
3月11日に、心から祈ります。